杉板を床に使った場合、完成してすぐの時に、ワックス または オイル を塗る事をお勧めしています。
見積で真っ先に削ってしまう項目でもあるけれど、「自分達でやります」と最初からそう言われ方も多いです。
「何がいいですか?」と聞かれるのですが、引っ越すまでの時間がない場合が多いの、簡単に塗れるものとして『蜜蝋ワックス』をお勧めしてるいのですが、いろいろ調べてみると、もっと簡単そうなのが・・。それが
AURO No.431 というワックス。
水で薄めて雑巾がけと同じ要領でやればいいという事で、道具も何もいらないから、ものすごくいいのではないかと思い、『蜜蝋ワックス』か『AURO No.431』かどちらか、という事でお勧めしています。
ただ・・
これは『 掃除用 』というものなので「一体どんな感じなんだろう?」とちょっと心配。。
私は使った事がないので、購入して、杉板に使って試してみました。
杉板を2種類用意しました。
6年経ったものと、新品。
6年もののほうは、しばらく床に敷いて実験していたので、一般の家で使っている状態に近いと思います。日には当たってないので、色や劣化の度合いは少し違いますが。
AURO No.431 は水に対して3%の量という事ですが、実験として極少量なので、”アバウト”です。
6年経った杉板
この板の半分に AURO No.431 を塗ります。
(* AURO No.431を混ぜた水に布を浸し良く絞り拭きました。雑巾がけと同じ意味です)
『A』のほうが、塗らないで「元のまま」、『B』のほうに塗りました。
↑塗った直後
右(B)半分に塗りました。
↑15分経過
AURO No.431の仕様書によると塗ってから10分~20分乾かす事になっています。
乾くと、塗ったか塗らないかがあまりわかりません。でも手で触ってみると「サラサラ」してます。丁度、”石鹸で顔を洗った後のスッキリ感”です。
光の加減で、塗ったほうと塗らないほうがわかります。
塗ってない左(A)側のほうがてかっています。
これは、これまで板から出てきた油分もあるだろうし、実験で床に敷いていた時に歩いたりしていた時の油分だったり、空気中のものだったり、そうゆう油分がついていたのでしょう。
AURO No.431を塗った事で、それが取れたのでしょうね。
↑2回塗り
残っている AURO No.431 がもったいなにので2回塗りしてみました。。
見た目、触った感じとも、すごく変わるわけではありませんでした。いくらかツルツル感が増したような。。掃除用とは言え、一応ワックスですから。
新品
次は新品の杉板です。
上と同様に、右半分に塗ります。
↑あまり変わらない・・
塗ったほう(右=B)と塗らないほう(左=A)ほとんど差がありません。
触ると塗ったほうは少しツルツルします。
塗ってないほうは”しっとり”感があるような。。元々の油分があるという事なのでしょうね。AUROを塗ったら、それがなくなってしまったという事なのか?
光の加減で、やっと差がわかる程度です。
水が垂れたらどうなの?
AURO NO.431を塗ってさっぱりした感じになって、「気持ちいいかも」と思ったのですが、『6年もの』の場合でも『新品』でも塗らいないほうが”油分”がある感じがします。という事は、塗ったほうは、水が浸みこみやすいの?と疑問が湧きました。
そこで、水を垂らす実験をしてみる事にしました。
↑水を垂らし30分後
水を垂らして30分後、ティシュを乗せ水を吸い取りました。。
ちょっとわかりにくいけど、その直後です。
『6年もの』も『新品』もAURO NO.431を塗ったほうが、水を吸いこんでいるような気がしました。でも30分後、見るとそんなに吸い込んでいるわけではないような感じがします。一応”ワックス”であるから、その効果はあるのかもしれませんね。
↑水を拭き取り30分後
水を拭き取ってから30分後の状態です。
『6年もの』のほうは、表面の汚れを水がひろい、水が広がった縁に跡となって残りました。
水だけなので、そんなにはっきりと、吸い込んだ跡が残っているわけではありません。目を近づければわかります。
新品のほうは、いくらか吸い込んでいますが、そんなにすごい跡がついているわけではありません。どちらかというとほぼわからない。
各部の拡大
↑6年もの。元のまま(塗ってない)
うっすらと水が広がった跡の輪っかがわかります。
↑6年もの。AURO塗ったほう
こちらもうっすらと水が広がった跡の輪っかがわかります。
↑新品。元のまま(塗ってない)
跡はわかりません
↑新品の。AURO塗ったほう
こちらも跡はわかりません。
麦茶とコーヒーを垂らしてみた
麦茶とコーヒーを垂らし30分、拭きとってから30分後。
アウロを使ったほうだけです。
『6年もの』も『新品』も麦茶程度なら若干わかるけどもほとんどわからない。コーヒーはさすがに「着いた」という感じですが、普段の暮しの中で気づくほど目立つかというと、そこまでではないと思います。。
↓6年もの。AURO塗ったほう
↓新品の。AURO塗ったほう
実験後の感想
AURO No.431 を混ぜた水で雑巾がけすると”さっぱりする”ので好感が持てます。混ぜた水を使っても、手がべとつく 感じはほとんどしません。
柑橘系の匂いがします。私には嫌な匂いではありませんが、個人差がでるかとは思います。雑巾がけ後の板は、そんなに匂わないような気がします。
実際にやって、「これでオイル掛けした」と済ませていいか? というと「ちょっとどうかな?」と言う感じです。もっともメーカーは「掃除用」とうたっているわけですから、「そのとおり」という事。ささっと雑巾がけして、表面はさらっとするという事は、そこそこ汚れが取れているわけですから「掃除用」としては「効果あり」です。
一応”ワックス”なので、水拭きするよりは当然、ワックス効果があります。「うっすらと」です。メーカーは、「ワックス効果を求めるなら別のもの(AURO No.129)を使うように言っています。
1度雑巾掛けして乾いてから、もう一度やるというのは、ワックス層をいくらか厚くする事ができるので、”2度掛け”は、いいのかもしれません。「2度やる」という手間が発生しますが。
一般のワックス掛けのように「伸ばさなきゃ」とか「塗り残しはないか?」と気にする必要がなく、単に「雑巾がけ」なので、気楽で簡単だとは思います。
雑巾がけの時の注意としては、「雑巾をよくしぼる」事。その後、カラ拭きするといいかもしれません。水気を早くなくすためと、雑巾がけにより板が毛羽立つかもしれないので、それの対策でもあります。
メーカーの仕様としては 月に2回 やる事を勧めていますが、ワックスの効力が少ない事を考えると、そのほうがいいのかもしれません。
雑巾がけ後「水/麦茶/コーヒーを垂らす」実験をしましたが、無色の水だから残らないですが、麦茶はほんのわずかわかる感じ、コーヒーは、わずかにシミとして残るような感じでした。でも日常生活の上ではほぼ気にならないレベルだと思います。醤油くらいになると色が付いてしまうかも。
結論1
『AURO No.431 をワックスとして考えてもいいのか?』
応急的にはいいと思います。
引渡から引っ越しまで時間がない場合、頑張ってワックス掛け(オイル塗り)するよりも、『AURO No.431 』を使って雑巾がけしておけば、とりあえずは「よし」とできます。
引っ越して家具を置いた部分は、動かして塗るというのは、かなり難しくなりますので、うっすらとでも「ワックスが掛っている」と思えば、自分の気が楽だと思います。
ただし、あわててやった場合、水分を拭き取りきれなかった箇所は、「毛羽立ち」してるかもしれないので、あとで床を気にしてみてください。どちらにしても引っ越しでホコリっぽくなりますから、もう一度『AURO No.431 』を使って雑巾がけするといいと思います。
キッチンや洗面など水を使う場所は、早いうちに ワックス(オイル)を塗ったほうがいいです。『AURO No.431 』を使っても板は水分が浸みこみますので。
理想としては・・・
引っ越し前に時間が無い場合は、『AURO No.431 』を使って雑巾がけし、引っ越して落ち着いたら、ワックス(オイル)掛けする事です。
特に小さいお子さんがいる場合には、やはり、ちゃんとワックス(オイル)掛けする事をお勧めします。といっても小さいなお子さんがいて引っ越し後にやる事はかなり難しいので、引っ越し前にするのがいいですね。
結論2
もう一度上の写真を見てください。
6年経つとこんなに色が濃くなっています。
もしこれを見て「そうなんだ。だったらあまり気にしてもしょうがないね!」と思える人で
かつ・・・
「まめに雑巾がけするのは苦じゃない」
という人なら『AURO No.431 』だけでもいいんじゃないかと思います。
メーカー推奨のとおりに月に2回じゃなくても、月1回でもいいと思うんです。
そして、家中1回でやろうとしなくても、「今週はこっち、来週はあっち」みたいに分けてもいいと思います。「雑巾がけ」ですからね。
そんなふうにおおざっぱに考えてもらえるなら、『AURO No.431 』でいいと思います。
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また、すでに年月が経っている床のメンテナンスとして使うのには良いと思いました。
当初まじめにワックス(オイル)塗りしていても段々とめんどくさくなります。しばらく放置すると、表面が傷つき汚れも着きます。『AURO No.431 』を使って雑巾がけすると、汚れを取るとともに表面の傷の補修にもなるような感じがします。
忘れていた「板のサラサラ感」を再び味わう事ができますよ!
その後は様子を見て、『AURO No.431 』で雑巾がけをしていくか、改めてワックス(オイル)塗りをしてください。
補足
『無垢の木は時間とともに色が変わる』
「こぼすとシミになる」という話しをすると気になってしまうかもしれませんが、この事を頭に入れておいてください。板の色が濃くなっていきますので、多少のシミも目立たなくなります。
「浸みこむと板がダメになる?」という事ではありません。それは問題ないけど「シミ」として残ります。
気がついたらすぐに拭けば、ほぼシミになる事はないでしょう。
「汚れや傷」に対して「あまり神経質にならない」それが無垢の木の床との付き合い方です。多くの人が最初は気を使うんですが、キリが無く、そのうちあきらめ?気にしなくなります。気にならなくなるのです。それよりも『無垢の木の床』にしていい事がたくさんありますから。
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